「音楽」カテゴリーアーカイブ

アニメ ピアノの森20180422

以前マンガのピアノの森について書きました。

ピアノ曲がたくさん出てきますが、あまり知らないですし、演奏についての描写が多く、全く想像するしかなく、聞いてみたいものだと思っていました。それがアニメでかなえられるのです。実は以前アニメ映画もできていたようで、そのときのピアノ担当は大御所のアシュケナージだったらしいです。今回TVアニメ24回シリーズということでピアノは各キャラクターに対してそれぞれふさわしい若手ピアニストが選ばれていて、登場人物になり切って演奏してくれるようです。つまりピアノ表現に力を入れた番組つくりになっているということですね。気づいた時にはもう2回分放送が終わっていて、今晩3回目が放送されるので、今回から録画して見逃さないようにしたいと思います。

札幌交響楽団定期演奏会20180203

日本が世界に誇る金メダリストの活躍が連日報道されています。オリンピック前から、高木美帆さん一押しでしたが、期待通り活躍してくれました。

ところで、世界に誇る日本の作曲家、武満徹をご存知でしょうか。全曲武満の曲でプログラム構成された演奏会に行ってきました。武満は札幌交響楽団がお気に入りで、生前何度か曲の初演を行っています。いわゆる現代音楽でリズムも調性もあいまいですが、感情は伝わってきます。世界中で好まれている曲が多く、日本でももっとメジャーになってもいいと思います。

ホモピクトルムジカーリス アートの進化史20170915

ヒトはなぜ芸術活動をするのか、動物学的観点から考察した本です。作者は岩田誠。2001年に書かれた「脳と音楽」という本は音楽家の脳について研究した内容でありとても興味深く、図書館で借りた後に購入してしまいました。読み始めて間もなく、同じ作者の本と知り、期待して読み進めました。

絵を描く行動は言語の習得と関連していることが幼児の発達の観察から示唆されました。仲間に行動を促すタイプの言語は類人猿をはじめとするいろいろな動物で見られるが、目の前に見られない物事を伝えることができるのはヒトだけであり、そのことがアートを生み出すとしています。古代の洞窟画のある場所は非常に音響の良い場所であることが明らかになりました。当時その絵の前で、楽器を鳴らしたり歌を歌ったりしていたことが想像されます。

アートは祈りであり、帰属する集団の一体感を高めるものであるということは古代も現代も変わっていないことのようです。

体の使い方 アレクサンダーテクニーク 20170622

太極拳とフルートをやるときに、共通な体の使い方があるのに気づきました。それは、水泳やランニングにも共通しているように感じていました。アレクサンダーテクニークは人間の体の使い方の基本原則を見つけ出したオーストラリアの俳優、アレクサンダーさんが研究の末まとめあげた方法です。

頭、首、背中のバランスがすべての動きをスムーズに効率よく行うためには重要で、常に動きを意識しフィードバックすることでパフォーマンスを上達させられるということです。このことに関して3冊の本を読みました。「アレクサンダー・テクニーク やりたいことを実現できる<自分>になる10のレッスン 」小野ひとみ著  「音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと アレクサンダー・テクニークとボディ・マッピング 」バーバラコナブル著  「ランニングを極める アレクサンダー・テクニークで走りの感性をみがく」    マルコムポーク、アンドリューシールズ著   基本情報と、音楽家のための応用、ランナーのための応用です。

最近けがをして、自分の動きを見直す必要が出たのでこの本は大変参考になりました。ただ、習得するには難しそうなのでできることから普段の生活やトレーニングに取り入れようと思いました。無意識に動いてしまうことが多いのですが、動く前に意識するだけで動きが少しずつ洗練されてくるのです。

毎日の積み重ねは積もり積もって良い結果につながっていくのではないでしょうか。

小曽根真、ゲーリーバートンツアー20170605

小曽根真、ゲーリーバートンツアー札幌公演に行きました。実は大きいホールのジャズコンサートは初めての経験です。小曽根さんは2008年のPMFでバーンスタインガラコンサートに出演した時初めて聴きました。バーンスタインの交響曲(ほぼピアノ協奏曲)でソリストをつとめ、カデンツァのほぼ無音部分で客席アラームが鳴るという大ハプニングを見事切り抜け鳥肌がたちました。その後、クラシックのコンサートで聴く機会はあったのですが、小曽根さん本来のジャズは初めてです。

ゲーリーバートンはアメリカのバークリー音楽大学で小曽根真を見出した、恩師であり、長く共演をしてきた信頼できるパートナー。そのバートンが演奏活動を引退するツアーに小曽根を共演者として選んだのです。これは聴かなくてはと思いました。

小曽根さんの楽しいピアノとバートンさんの優しく暖かいビブラフォンの音色で聴かせてくれました。終焉後はサイン会まで。楽しんでまいりました。

ピアニストの脳を科学する20170428

ピアニストは芸術家であると同時に、すぐれた身体能力を持つアスリートであり、膨大な音符を記憶し瞬時に情報処理をする知性の持ち主であるとまえがきに書かれていますが、私も常々そう感じており、どうやってそんなことができるようになるのか知りたいと思っていました。

練習によって脳が変化するというのは予想がついたことですが、指を動かす筋肉で省エネが行われるのがプロの演奏家だということで、なるほどと思いました。疲れず素早く動かすには、無駄な動きや力があるとうまくいかないのです。

興味深いのは楽譜の初見演奏のメカニズムです。視覚情報を素早く指の運動に変化させなければなりません。このとき周辺視野を使って1度に1小節程度認識して記憶し、音のイメージを得ているのだそうです。また、音符を動きに変換する脳の部位があるということも驚きでした。

音楽家にとって一番大切な聴覚に対応する脳細胞は、一般人の2倍も多く、つまり音の情報を処理する能力が高いということで、音の違いを聞き分け表現することができることになります。耳からの情報を脳の視覚野の細胞をも使って処理しているという事実には驚きです。そして、音と指の動きが直結するような脳細胞も発達しているとのこと。つまり目から、耳から取り込んだ情報を無駄なく指の動きに変換できる脳を持つのがピアニストのようです。その脳は、幼いうちから訓練することによって発達するものもありますが、大人になってからでも発達するものもあり、脳の訓練には大変良さそうです。

札幌交響楽団 モーツァルト グランパルティータ20170405

札幌駅前にできた六花亭ふきのとうホールへ初めて行きました。札響メンバーによる室内楽コンサートです。入場料は4000円ですが、六花亭のポイントをためていたので400ポイントで入場券と引き換えることができました。お菓子を40000円以上買ったことになりますが、お客様を大事にしている会社だと思います。
以前札響メンバーによる、カメラータ札幌という室内楽グループがありファンだったのですが、その管楽器メンバーはみなさん出演していました。音楽は楽しく、演奏は大満足でした。でも気になったことも。
1曲目はリヒャルトシュトラウスの「13管楽器のための組曲」初めて聞く曲でしたが、最初、音が過剰に響きすぎて、耳がおかしくなったかと思いました。最前列にいたのが悪かったのかもしれませんが、ホールが少人数のためにできているのか、狭い感じでホルン4台が響きすぎに感じました。2曲目はタイトルになっている、モーツァルトの「グランパルティータ」で、各楽器の音はそれぞれバランス良くはっきりと聞こえました。この曲の第6曲テーマとヴァリエーションは、フルート四重奏曲のそれとほとんど同じ曲です。モーツアルトは良く使い回しをしていますね。

さてここで一つの疑問は、この曲には指揮者は必要だったのかということです.カメラータ札幌には指揮者はいませんでした。9人くらいは指揮者なしでも合わせられますね。13人は難しいのでしょうか。確かにテンポが変化するところは難しいのかな。最近読んだもの(某楽器店のサイト)には、研究によると奏者は視覚で合わせられると書いてありました。特に顔や楽器の動きを見て合わせるそうですが、首から下しか見えない状態でも合わせることは可能だとのこと。プロだから、事前に打ち合わせしておけば指揮者なしでも演奏できるのでしょうね。それに少人数のアンサンブルは多少ずれるのもまた聞いていて味があると思いますが。今日の演奏は指揮者がいましたから音のタイミングはピッタリでした。(少なくとも私にはそう聞こえました)ぴったり合うのは気持ちいいですし職人技、美しさを感じますが、指揮者なしの演奏ではスリルや楽しさをより強く感じることができる気がします。

オカリナのチューニング20170205

フルートの練習のためカラオケボックスを利用しておりました。すると隣の部屋あたりから、笛の音が。オカリナのようです。数人で合奏しています。それぞれ微妙に音程がずれています。オカリナのチューニングってどうするんだろう。機械的に調整できる仕組みはないですよね。耳で聞いて吹き方で合わせるしかないのだろうけど、それってかなり高度な技術では?

お隣の団体はどうやらそんな技術は持ち合わせていないようです。自分勝手に音を出しています。一応リズムやメロディはそろっているので、一人で吹けばいい音なんでしょうが。同じ音でユニゾンで演奏しているうちは、小学校のリコーダーの授業のようで、なんとか我慢することができます。2部、3部合奏はもうだめ。聞いていると頭が狂いそうになる。自分でいうのもなんですが、私は物事に対する許容範囲は広い方だと自認していますけれど、これはダメだった。いっそのこと前衛ジャズのようなものや、リズム、メロディのはっきりしない現代音楽なら不協和音もそれなりに楽しめますが。なまじのどかなメロディアスな歌えるような曲は不協和音に似合わない。オカリナの合奏曲を作ることは犯罪かも。もともとチューニングのできない楽器ですからね。

バッハ管弦楽組曲全曲演奏会20170127

札幌交響楽団の定期演奏会に行きました。バッハの管弦楽組曲第2番はフルート協奏曲といった感じで、レッスンを受けたこともあります。急きょ思い立ち、当日券を買って聴くことにしました。3番、2番、1番、4番の順で全4曲が演奏されました。
少人数の編成ですから、いつもの定期演奏会とは趣が違います。第1、第2バイオリン、ビオラが各6人、チェロ4人コントラバス2人の弦楽5部にチェンバロ、3,4番はトランペットとティンパニ、1,3,4にオーボエ、1,4にファゴット、2番にフルートと、多くても30人とちょっとです。普段の定期演奏会では100人くらいステージに上がりますから、ずいぶんさみしくみえますが。

曲は、宮廷での舞踏会が目に浮かぶような楽しく生き生きした感じです。実際当時の舞踏会で,指揮者が客の様子を見ながら適当にリピートして頃合いを見て次の曲へ移ったという話も聞いたことがあります。指揮者のマックス・ポンマーさんのバッハ研究をもとにした演奏会ということで、終始楽しげに指揮棒を振っていらっしゃいました。流れるような、しかもメリハリのある演奏でした。よっぽどうれしかったのか、定期演奏会で最後にアンコール演奏をしてくれることはほとんどないのに、第3番の2曲目、G線上のアリアをやってくださいましたよ。

余談ですがパンフレットの解説によると今は管弦楽組曲と呼ばれていますが、作られた当時は組曲とはきめられた曲の形式を持つものとされていて、バッハはこの曲を組曲とは呼んでいなかったそうです。序曲から始まる曲とか呼ばれていて、確かに楽譜の表紙にはouverture(序曲)と書かれていましたので、序曲の楽譜しか入っていないのかと思いましたが、そういう意味だったようです。

もう一つ余談。当日券はクレジットカードは使えないし、キタラクラブの割引対象外で、残念でした。前日に電話予約すればよかったのに後悔しました。

 

ボレロ20170124

大好きな作曲家2人、19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家、モーリス・ラヴェルと、世界のサカモト、坂本龍一さん。

通勤途中、ミュージックプレイヤーでランダム再生していたら、『ボレロ』がかかりました。ラヴェルの超有名曲です。ppから始まり同じリズムとメロディを繰り返しながら少しずつクレシェンドしていきます。曲も終盤に差し掛かり盛り上がってきたころなんだかアレンジが違うことに気づきました。世界中でいろんな人がいろんなバージョンに編曲していますからオリジナルと違うものもあるのは不思議に思いませんでいたが、曲名を確認してびっくり。作曲坂本龍一『Bolerish』ボレリッシュ、ボレロ風の、ということで、ファムファタールという映画のために監督に強要されて作った曲でした。知っていたんだけれど聞き流していると、どちらもよく知っている私でさえだまされた、ボレロそっくりの曲。フランスのラヴェル財団からクレームが入ったという逸話つき。

ボレロはバレエの曲として作られましたが、のちの人が違う振付を作っていますね。フィギュアスケートのサラエボオリンピック、アイスダンスで満点を獲得した演技を生中継で見たときは感動で涙があふれました。

感情に訴えるすごい曲です。