ホモピクトルムジカーリス アートの進化史20170915

ヒトはなぜ芸術活動をするのか、動物学的観点から考察した本です。作者は岩田誠。2001年に書かれた「脳と音楽」という本は音楽家の脳について研究した内容でありとても興味深く、図書館で借りた後に購入してしまいました。読み始めて間もなく、同じ作者の本と知り、期待して読み進めました。

絵を描く行動は言語の習得と関連していることが幼児の発達の観察から示唆されました。仲間に行動を促すタイプの言語は類人猿をはじめとするいろいろな動物で見られるが、目の前に見られない物事を伝えることができるのはヒトだけであり、そのことがアートを生み出すとしています。古代の洞窟画のある場所は非常に音響の良い場所であることが明らかになりました。当時その絵の前で、楽器を鳴らしたり歌を歌ったりしていたことが想像されます。

アートは祈りであり、帰属する集団の一体感を高めるものであるということは古代も現代も変わっていないことのようです。

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