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KAI69K20220714

タイトルの読み方は『かい69け―』意味は『甲斐の国(山梨県)で行われる距離69KMのレース』です。令和4年4月23日第1回KAI69Kに出走しました。ほとぼりがとっくに覚めましたが少し記録しておきます。

2020年、2021年はレースがあまり開かれていませんし、飛行機に乗って遠征する状況ではありませんでした。2019年はロードのフルマラソン年間で、トレイルランの大会は、10月のハセツネカップのみエントリーしていたのですが、台風のため大会は中止。実に3年半ぶりのトレラン遠征です。

UTMFという日本最高峰のトレラン大会のハーフバージョンとして今年初めて開催されました。あの富士急ハイランドを発着するということで、前日はハイランド内のホテルに宿泊することにしました。ホテルの屋上からは富士山が目の前に大きく見えます。前日受付で、新型コロナの抗原検査を受けて陰性にならなければ出走できません。無事出走可となりました。富士急ハイランドはアトラクション以外は入場無料で、コースになっているところを下見したりお土産を買ったりして楽しみました。隣接するふじやま温泉の入浴は宿泊費込みなので、富士山を見ながらお風呂、夕食もいただきました。

さてスタートは11時。制限時間は20時間、明日の7時までにゴールしないとなりません。いいお天気、結構暑い。スタートしてしばらくはアップダウンもあまりなく、舗装路もあり比較的スピードが出ます。最初のエイドまでは19kmあります。一山超えてエイドまで田畑が続きます。お昼過ぎて暑い。約2時間半でやっとエイド、水の補給、休憩。ひどいめまいがしました。まさかこんなところでリタイア?椅子が用意されていたので、めまいがおさまるまで水分塩分糖分を取ります。20分以上休んで何とか復活。次のエイドを目指します。

また一山超えて28km地点に第2エイドがあります。体調は戻ったようで一安心。1年くらいはほとんど練習もしていなかったのですが、冬場に頑張って走ったので何とか走力も戻ってきているようです。日が暮れて涼しくなってきて、元気が出てきました。

43km地点の第3エイドまではひたすら山道。登りは歩いても下りは走って楽しく進めます。おもえば前2回、UTMFに出場した時は天気が悪く、雨、泥、富士山が見えないと、条件は良くなかったのです。今回は富士山は見えるし道も良いし、言うことなしでした。この第3エイドは、UTMFでは最後から2つめのエイド。100km以上進んできたところですから、もうほとんど考えることはできずただ足が動いていただけで制限時間ギリギリのラスト通過でした。今回は余裕がありますから少し休んでエイドの雰囲気も満喫してからの出発です。

KAI69KはUTMFの23時間後にスタートします。スタート時にすでにコース上にUTMFの選手がいます。UTMFの後半部分がそのままKAI69Kのコースです。かなり疲れている選手たちをおいこすこともしばしば。第3エイドを過ぎると急な山道が現れ、コース最高地点の杓子山山頂につきました。45km地点、あと24km。ここまでくれば完走は間違いないでしょう。長い下りの後は一山を残すのみです。楽しく下り始めたのですが、、、、

一瞬の油断で転んでしまい、打ちどころが悪く、ひざがぱっくりと割れてしまいました。ここは最高地点、次のエイドまでは8kmくらいです。そこまでは自力で下るしかありません。タイツの裂け目を開き、水をかけて洗浄し、持っていたテーピングで固定しようとしていましたら、数名の選手が寄ってきて、ばんそうこうやらクスリやらを提供してくれます。けがにも慣れたベテラン選手、UTMFの選手で、相当自分もつかれているだろうに、他人の心配をしてくれます。救急用品をいろいろ準備していて、『初めて役に立ったよ』なんて言っていました。本当にありがたかったです。とりあえず固定してばんそうこうを貼って下ります。傷が開きそうですが、一刻も早くエイドで処置してもらった方がいい。70%くらいの力で下りました。約1時間で最後のエイドにつきました。

早速救護室へ行き、傷の処置をしてもらいます。とにかく洗う、洗う、感染のリスクを減らすため十分洗います。そして固定。ばんそうこうを縦にたくさん貼って傷口をふさぎます。ここで私は究極の選択をしなければなりません。レースをやめるか続けるか。できることなら完走したいし、体力は十分残っている。でもあと一山上って降りなければなりません。当然ひざの曲げ伸ばしは何千回もしなければならない。傷口が開くのは必至でしょう。そしてそのあと病院で処置を受けても、回復にかかる時間は延長されてしまうことが予想されます。決めました。夜中の0時過ぎですが、今すぐ病院で処置してもらえるならリタイアを選びます。朝まで受診できないならじっと座っているのも嫌なのでレースを続けます。果たして事務局の対応は、すぐ提携の病院に連れて行ってくれるということで、私のレースは終了いたしました。

看護師さんと運転手さんで吉田市民病院まで連れてきてもらいました。当直の若い先生が来て、さらに10分以上洗ってくれました。そして丁寧に縫合してくれました。さらに破傷風のワクチンまで接種されました。私の不注意でけがをすると多くの人の手を煩わせてしまいます。こんなこともあろうと、保険証と受診にたりる現金は所持していたのでタクシーでひとりで行けないわけではなかったのですが、事務局側も病院には付き添うというマニュアルだったのでしょうね。過酷なレースですから傷病者の対応もきちんとできていて素晴らしいレースだと思いました。一つ心残りがあるとすれば、富士吉田のエイドで救護室に直行し処置してもらってすぐ病院に連れて行ってもらったので、名物吉田うどんが食べられなかったこと。次回こそは。

 

テイネトレイル参戦20220624

すでに2週間ほど経過してしまいましたが,テイネスキー場で開かれたトレイルランニングの大会に出場しました。ロングコース34km制限時間は7時間です。

スタートから1時間くらいは山頂に向けての登りです。まだ元気ですからなんとか行けます。そして長い長い下りが続きます。下りなので自然とスピードが出ます。そのスピードに耐えられる足を持っていないとあとでつぶれます。何とか耐え切りました。

さてそのあとが問題のパートです。送電線の下を行くのですが、送電線の鉄塔が尾根の部分にあり、かなり急なアップダウンを鉄塔の数だけ7回繰り返します。登りもきついが下りが恐ろしい。滑り落ちないように足を踏ん張るので、攣ってしまいました。1時間半くらいかけて5kmほどのコースを何とか制覇しました。

次に普通の手稲山登山、平和の滝コースです。多くの登山者とすれ違います。レースしてるのではずかしくないよう頑張ります。2時間弱で登頂します。最後はトレランらしいコースを楽しく走りました。制限時間に間に合うか心配でしたが、何とか完走できました。

実は去年も出場したのですが、全く練習できていなくて、足はともかく心肺機能がアップダウンパートを耐え切れずズルズル歩いて関門で時間切れでした。リベンジが果たせてよかった。

 

2018ハセツネ参戦20181010

体育の日と言えば昔は10月10日と決まっていましたが、最近は10月の第一月曜日は前日からハセツネカップが始まります。大人の運動会とも言われております。以前にレースに参加した模様を描いたことがあります。今年で5回目の参加です。

71.5kmを24時間以内にゴールする大会ですが、今年は暑さにやられました。歳のせいか暑さのせいか、例年は6か所くらいしか止まらないのですが、今年は10回以上止まって休憩しました。去年はスタートは暑くても夜は冷えてきたので調子が出ました(その代り霧がひどかったですが)。今年は夜もちょっと走ると汗だく。参加者みなさん暑さに苦しんでいました。持って出た水が足りなくなりリタイアする人もいたようです。給水は1か所のみで、水場が後半にしかないので、40キロまでに自分が必要な水を考えて用意しなければなりません。多すぎても重くてへたばりますからね。

タイムはベストだった去年より30分以上遅かったですが、順位は今までで1番よかった。でもいつまで出られるかな。女子ではかなり高齢な部類に入ってきてしまいましたから。

視覚情報にだまされる20180415

ヒトは情報の90%以上を視覚から得ていると言われています。ランニングの時、目の前が上り坂だとどうでしょうか。頑張ろう!という気持ちになりますか?いやだなーと思いますか?どちらにしても、視覚情報から、この先が体にとってきついところだということを理解しての反応です。では、目の前に広がる景色が下り坂ならどうでしょう。下りの苦手な方もいるでしょうが、私は下りはがぜん元気が出ます。気持ちよく飛ばしていこうと思います。

今朝ジムで走っていました。トレッドミルは登りは作れても下りは作れません。TVでトレランの番組をやっていたので傾斜8%に設定して画面の選手と一緒に走っている気持ちでやってみました。山を走っているようで楽しいです。映像のコースは下りに転じます。するとどうでしょう。私はトレッドミルで登り傾斜で走っているのに、目の前の景色にだまされて、下っているような気分で快調に走れます。脳と体が視覚情報にだまされているのです。足の筋肉のフィードバックなど視覚情報の前には歯が立ちません。練習もせずにこんな走りを続けていればすぐにつぶれますが、練習をしているのに目の前に上り坂が見えるとめげてしまう私のために誰か、すべての景色が下りに見えるVRサングラスを発明してくれないかな?

大雪山ウルトラトレイル参戦20170725

反省点多し
まだ3回くらいしか使っていないサングラス落とした。ハンドライト(100円)落とした。
帽子とタイツはダメだった。
前日の前夜祭が座るところがなくて疲れる。
JRは遅れるのではないかと心配。早朝の列車が運休になった。
宿の夕食悪くはないが、弁当買って前夜祭の時に早めに食べてもいいかも。
宿は隣の部屋の声が筒抜け。お風呂もやめて早く休んだ方がいい。

午前3時30分スタートは、朝早いというより夜中にスタートするようなもの。思ったより疲れて、2晩徹夜した時のように幻覚がみえそうだった。

脱水気味で立ちくらみがしてふらついたところをエイドのスタッフに見られてしまった。途中で進めなくなったりして迷惑をかけるわけにはいかないので、無理せずA4からA5をほとんどあるいてしまった。12時制限の第1関門に7分間に合わなかった。61kmを8時間37分かかりました。1km当たりあと7秒速く進めば間に合うのだ。時速7,2kmだと1時間にあと100m、時速7.3kmにすればよい計算。

怖かったのは、林の中でスズメバチがぐるぐると私の周りを何度も旋回する。追い払おうとすると攻撃されるかと思い、なるべく動きを変えず淡々と進んだ。前後に人が見えないし、エイドまでまだ数キロあったので、ここで刺されたらどうしようと考えた。あとで聞いたら、結構ほかの人も同じ目に合っていた。熊はそうそう人がたくさんいるところには出てこないけれど、スズメバチはすぐ出てきます。怖い。

コースは、61kmまで林道、農道で61kmから山道になるコースレイアウトなので、前半つまらないかと思っていましたが、そんなことはなく、畑が広々と見えたり。牧草地を踏み分けたりと。変化もあり面白いコースでした。エイドも食べ物、飲み物十分あり、スポーツドリンクも粉末のものをすぐ溶かしてくれたり気配りもしてくれて、少人数の大会の良さを感じました。食べ物はバナナ、アンパン、梅干し、ポテトチップ、など。のどが渇いている時アンパンは食べる気になれないが、梅干しは塩分、クエン酸もとれるしおいしかった。飲み物は水、コーラ、スポーツドリンク。スポーツドリンクが品切れにならないのは助かりました。A5ではセイコーマートのメロンモナカをいただき、元気が出ました。

ゼッケン番号は何の順なのかと思ったら、五十音順です。

第4回スパトレイル参戦20170626

去年に続き、今年も群馬県で開催されたスパトレイルに参戦しました。去年は走力が足りず後半スピードが出せずに時間切れ打ち切りになってしまいましたので、今年はリベンジするぞとばかりに練習量を増やして完走をめざしていました、が、練習しすぎで恥骨の疲労骨折をしてしまい、2か月半走れませんでした。泳いだり自転車こいだりはしていたことはしていたのですが~走るほどの負荷を体にかけることができず、走力のみならず、体力もけがの前より落ちてしまいました。序盤の数キロで胸が苦しくなり歩いてしまうし、第一エイドの後、両足がつってまた歩いてしまうし、どこまで行けるやら。早くも完走はあきらめて、練習として走りました。今まで経験したことのないトラブルが次々と起こるので、トラブル対策の大会となりました。去年は野反湖一周での走りがだれだれになって思ったより時間がかかったのが反省点でしたが,そこは今回はしっかり走れました。今年新設された、第3エイドを5kmほど過ぎたところの給水関門が微妙です。後ろから走ってきたマーシャル(審判員)の方が、「このペースだと次の関門ぎりぎりだ」と教えてくれたので、ぎりぎりなら頑張って越えよう、少しでも長く走ろうと思いペースを上げました。先を行く選手とすれ違うところで、「間に合うよー、頑張れ!」と声をかけられました。「頑張るよ~」と叫びながら全力で走り52kmの関門を越えました。息が切れてそこからはもう歩き。次の関門はもうちょっと難しい。それでも気持ち良い山を一つ越えられてよかった。滝を登る長ーい階段の前の関門57km地点で時間切れ終了となりました。14:50制限に15:09着で、10時間9分で終わりました。

前回は草津温泉が初めてだったので一泊して観光しましたが、今年は当日中に東京まで出て次の日朝一で帰札、そのまま出勤です。完走は来年に持ち越しか~

体の使い方 アレクサンダーテクニーク 20170622

太極拳とフルートをやるときに、共通な体の使い方があるのに気づきました。それは、水泳やランニングにも共通しているように感じていました。アレクサンダーテクニークは人間の体の使い方の基本原則を見つけ出したオーストラリアの俳優、アレクサンダーさんが研究の末まとめあげた方法です。

頭、首、背中のバランスがすべての動きをスムーズに効率よく行うためには重要で、常に動きを意識しフィードバックすることでパフォーマンスを上達させられるということです。このことに関して3冊の本を読みました。「アレクサンダー・テクニーク やりたいことを実現できる<自分>になる10のレッスン 」小野ひとみ著  「音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと アレクサンダー・テクニークとボディ・マッピング 」バーバラコナブル著  「ランニングを極める アレクサンダー・テクニークで走りの感性をみがく」    マルコムポーク、アンドリューシールズ著   基本情報と、音楽家のための応用、ランナーのための応用です。

最近けがをして、自分の動きを見直す必要が出たのでこの本は大変参考になりました。ただ、習得するには難しそうなのでできることから普段の生活やトレーニングに取り入れようと思いました。無意識に動いてしまうことが多いのですが、動く前に意識するだけで動きが少しずつ洗練されてくるのです。

毎日の積み重ねは積もり積もって良い結果につながっていくのではないでしょうか。

初めてのDNS20170525

このブログの初めての投稿でも話題にしましたが、ノーザンホースマラソン、今年もエントリーしました。しかし今年はけがのため初めてのDNS(do not start) 棄権しました。練習しすぎで恥骨の疲労骨折を起こしてしまったのです。女性ランナーによく見られるらしいです。

骨折初期はX線写真ではわかりにくいことが多いらしく、私もひどい痛みで走れなくなってから1カ月以上たって診断されました。最初は肉離れかと思って様子を見ていましたが2週間たっても治る気配がなく、最初に写真を見た整形外科医には「骨は異常なさそう」と言われました。4週たっても痛みが引かず、恥骨骨折は念頭にはおいていましたので、MRIを受け、5週目に再度のX線検査を受けてやっと診断してもらえました。骨折とわかれば、負荷をかけないようにして、筋トレは指示されました。怪我をして10週でやっとラン許可が出ました。

目標に向かってたくさん練習してもけがをしたら、結局練習できなくなります。歳をとると回復に時間がかかるようになるので、けがしてはいけないですね。思えば2カ月くらい前から、そけい部に弱い圧痛があったのです。走っても痛くならないので無視していました。女性ランナーの皆さん、そけい部の痛みには要注意ですよ。場所が場所ですので、受診をためらいがちですが、恥ずかしいことは何もありませんでした。ファスナーや金属のついていないジャージのようなものを着ていけばそのままレントゲンとれますし、(検査用ズボンも貸してくれます)診察でもそのまま足を動かしたりして痛みの出方を確認していきますので。

UTMF2016完走記20161224

UTMF2016に出場しました。富士山の周りをぐるっと1周、160キロを46時間以内に走りきるこのレース、去年に続き2回目の参戦です。去年は150キロを超えたところで時間切れで完走できませんでしたので、リベンジ目指して参加したのですが、数週間前から続く台風を含む雨でトレイルの状態は悪く、当日はコース上大雨警報の部分もあり、スタート時間が2時間延期になり、さらにスタート直前の開会式で、距離を大幅に短縮して約45キロで行われることが発表されました。落胆のため息が漏れます。短時間で気持ちを切り替えて、リベンジは持越しになってしまいましたが経験値はあげておきたい。途中まででも予定通りのペースで進めるかやってみます。

河口湖からのスタートは押しつぶされそうです。4キロは湖畔を走り最初の山の取り付まで少しでも早くいきたい。登り初めでひどい渋滞が起こるからです。去年は1時間も待った選手もいたそうです。どうせすぐ止まって休めますからここはキロ5分くらいのペースで頑張ります。案の定止められますが、息が上がって早くも苦しい。間もなくのぼりが始まります。前の人に間をあけられないよう頑張りますが、しばしば後れを取り後ろから追い越されます。1時間ほど登ると富士山が。去年はレース中1度も見えず、今年は前日から見えず、最初で最後の撮影チャンスです。もう記録は関係ないので、多くの選手が記念撮影していました。間もなく足和田山の山頂を通過し、下り基調へ。冬のトレーニングが効いて下りはバッチリです。何とか予定の時間で最初のエイドW1鳴沢氷穴へ。トイレとヘッドライト準備をしてスタートしました。

ここから約5キロのロードです。ロードは飽きるのですが、淡々と走る練習をしてきました。キロ6分程度で進みました。途中、大会名誉会長のわれらが先輩三浦雄一郎さんが応援に立っていました。だいぶ日が落ちて薄暗い森を抜けるとA1精進湖エイドです。食べ物がもらえます。飲み物ももらえます。ついつい長居する悪い癖を封印しなければなりません。必要なことは忘れずチェック、そして出発です。次のエイドまでは長丁場、そして夜間のトレイルです。3キロほど平坦道を進んだ後、急登が始まります。ここにはサックスで応援してくれる人がいて、今年は人数が増えていました。初めのランナーから、最後のランナー通過までずっと演奏しているのでしょうか。鳴り物は元気が出ます。パノラマ台を超えるとところどころ泥で滑る下りが続きます。下りなのに時間が稼げません。結局約12kmを3時間近くかかりました。

A2本栖湖エイドは狭くて込み合います。泥だらけの手袋を洗い、一応水も補充しておきます。すでにスポーツドリンクがなく、持参した粉を溶かして飲みました。少し食べておきたい。空腹になると気力が萎えるのでバナナ、オレンジ、ようかんなどいただきました。希望者は明日のSTYに出てもよいとの情報を得て、でも自力で行けそうもないし今晩休むところもないし、いいや、今日全力を使い果たそう、さてあと13km大きな登りもなくゴールに向けて出発!と外に出たら土砂降り。一瞬ひるんだが、どうせ汗をかくんだからこのままでいいや、レインウエアは着ないで走り出しました。案の定寒くなく、走りやすく3km位気持ちよくロードを走りました。そして曲がってトレイルのはいり口へ。なぜかそこで転んでしまいました。遊歩道への入り口の小さな段差につまづきました。不思議と痛くはなかったけれど後ろから来た人たちに見られた、恥ずかしい。そしてこの遊歩道がくせもの。晴れていればなんでもなさそうな道ですが、降り続いた雨のせいで、ところどころ道が水没しています。そのたびにどこを進むか選択を迫られます。水たまりの端の浅いところを通る方が足へのダメージが少なそうですが、直進できないのは結構なストレス。

またロードに出ます。道で応援している人が「あと3km!」と教えてくれます。ああ、もう終わってしまうのか。でも早くゴールに着きたい。そして変更になって急遽ゴールとなった道の駅まであと2kmの看板が見えました。そこからだいたいの距離を考えながら進みました。1.8km位かと思われる地点まで来てもゴールの雰囲気が感じられません。すると、前から戻ってくる人たちがいます。3km過ぎてもゴールはなく、道が違うのではないかと。100人ちかい集団ロスト発生です。引きかえし、地図を確認し、大会事務局に問い合わせてくれている人がいました。結論は、道は間違っていない。間違っていたのは、あと3kmという情報です。ロードをそのまま行けば3kmですがレースのコースはぐるっと回り道したトレイルになっています。思わぬところで時間と距離を稼いでしまいました。やっぱり45kmで終わるのはさみしいですから、2~3km多く走りたいという無意識の表れでしょうか。でもあとほんとに5kmで終わりです。しかしまた大きな水たまりが点在し面倒なのでもう真ん中を突っ切っていきます。雨もやんだようで月が見えます。歓声が聞こえてきました。スタッフが、道路を渡ったらゴールだと教えてくれました。8時間38分でゴールしました。

ウルトラトレイルを走りきったような達成感はありませんが、とりあえずゴールできたので良しとしましょう。食べ物をもらいゴールをゆっくり味わい、スタート地点に戻るバスに乗り込みました。さて一安心と思いきや、大きな落とし穴が。寒くて震えが止まりません。汗と土砂振りでパンツまでびしょ濡れ。動くのをやめたので冷えてしまったのです。ゴールしてすぐにレインウエアを着たのですが、間に合いませんでした。持っていた保温性のあるインナーを着てじっと耐えました。バスがつき、更衣室に入るとストーブが燃えています。その前に陣取ってあたたまるまで動けませんでした。今度から、雨が降ったらレインパンツだけでもはこうと思います。そして長袖シャツの着替えを持つこと。泥靴を洗い温泉に入り朝まで3時間ほど仮眠。朝一の電車で河口湖町を後にしました。当然と言えば当然ですが160km走るつもりで来た人たちは、50km弱、山を走っても、誰一人疲れている人はいませんでした。普通の人達なら次の日は足腰立たないでしょうに。

 

 

UTMF2015参戦記その⑧二十曲峠~富士吉田~河口湖八木崎公園20160916

最後尾で二十曲峠を出発。走ると体が右前に倒れてしまい10mも走れない。もう背筋を使い果たして走りを支えるだけの力が出ないようだ。あきらめて歩いて進む。スィーパーさんに「今は1番後ろですけれど半分以上の人がリタイアしていますから真ん中より上位なんですよ」と言われて少しやる気が出たが、やはり走れない。とにかく進めるだけ進もう。次回のためにも経験しておこうと思った。おとといの朝起きてから40時間以上起きている。スタートしてから38時間、A4で着替えた時とA8でマッサージを受けた時以外は座っていない。良く体が持っている。やはりアドレナリンの力か。火事場の馬鹿力とは言ったものだ。人間は普段は能力の半分も使っていないのだろう。多分大災害とか遭難しても生き延びられる。

何度も上り下りを繰り返して、険しい上りにやって来た。一人だから自由に自分のペースで登れるが、混みあっていたら渋滞するだろうなとか思いつつ登る。ここを登り切ってもまだ上り下りが続く。もう幻覚見えまくり。あの上の方に人が見えるが、近付くと誰もいない。

6:48 杓子山山頂。真っ白。何も見えない、向こうに富士山が見えるはずなのに。悔しいので登った証拠写真を撮った。カメラを持って走ったが、最初の渋滞で撮った以外、途中全く写していない。オフィシャル映像のカメラがいて映されたが、どこにも使われていないかな。下りは泥道で、もう足に力が入らないので、かなりお尻で滑り降りる。もうどうでもよくなってきた。そして林道を下る。A10制限時間の8時を過ぎたので家族に電話した。「富士吉田に間に合わなかったよ。今まだ杓子下ってる。」激しい尿意で腹痛を感じるほどになり、スィーパーさんに「この山降りたらトイレありませんか」と聞いたら、携帯トイレ使ったら?と言われ、そうかこういう時に使えばいいんだ、ということで、林道わきの窪地に下りて使用した。持っててよかった必携品。普通は使わないと思うけど。

林道を下りきって一般道に出るところでスタッフが待ち構えていた。「制限時間が過ぎ、この先警備員も撤収していますので、ここでレースを中止していただきます。」「そういうことでしたら納得します」と答えたものの、本当はもうやめたいと思っていたのでラッキー。9:39:50,44時間39分50秒でリタイアとなった。ワゴン車に乗り込みA10富士吉田まで連れて行ってくれた。制限時間を2時間も過ぎて、撤収作業もかなり進んでいるのに、水、オレンジ、チョコレートまで残しておいてくれた。やっと座っていただいて落ち着いたところで次は河口湖まで送ってもらう。

八木崎公園ではまだ続々ゴールしているが、もう関係ない感じ。荷物を受け取り着替えて帰り仕度をする。外では閉会式が始まっているようだ。本当なら参加して盛り上がりを体験するべきなのだろうけれど、そんな気力がない。広々した女子更衣室で後片付けに集中する。そして閉会式も終わり、バスで会場を後にした。

リベンジするぞ!