UTMF2016完走記20161224

UTMF2016に出場しました。富士山の周りをぐるっと1周、160キロを46時間以内に走りきるこのレース、去年に続き2回目の参戦です。去年は150キロを超えたところで時間切れで完走できませんでしたので、リベンジ目指して参加したのですが、数週間前から続く台風を含む雨でトレイルの状態は悪く、当日はコース上大雨警報の部分もあり、スタート時間が2時間延期になり、さらにスタート直前の開会式で、距離を大幅に短縮して約45キロで行われることが発表されました。落胆のため息が漏れます。短時間で気持ちを切り替えて、リベンジは持越しになってしまいましたが経験値はあげておきたい。途中まででも予定通りのペースで進めるかやってみます。

河口湖からのスタートは押しつぶされそうです。4キロは湖畔を走り最初の山の取り付まで少しでも早くいきたい。登り初めでひどい渋滞が起こるからです。去年は1時間も待った選手もいたそうです。どうせすぐ止まって休めますからここはキロ5分くらいのペースで頑張ります。案の定止められますが、息が上がって早くも苦しい。間もなくのぼりが始まります。前の人に間をあけられないよう頑張りますが、しばしば後れを取り後ろから追い越されます。1時間ほど登ると富士山が。去年はレース中1度も見えず、今年は前日から見えず、最初で最後の撮影チャンスです。もう記録は関係ないので、多くの選手が記念撮影していました。間もなく足和田山の山頂を通過し、下り基調へ。冬のトレーニングが効いて下りはバッチリです。何とか予定の時間で最初のエイドW1鳴沢氷穴へ。トイレとヘッドライト準備をしてスタートしました。

ここから約5キロのロードです。ロードは飽きるのですが、淡々と走る練習をしてきました。キロ6分程度で進みました。途中、大会名誉会長のわれらが先輩三浦雄一郎さんが応援に立っていました。だいぶ日が落ちて薄暗い森を抜けるとA1精進湖エイドです。食べ物がもらえます。飲み物ももらえます。ついつい長居する悪い癖を封印しなければなりません。必要なことは忘れずチェック、そして出発です。次のエイドまでは長丁場、そして夜間のトレイルです。3キロほど平坦道を進んだ後、急登が始まります。ここにはサックスで応援してくれる人がいて、今年は人数が増えていました。初めのランナーから、最後のランナー通過までずっと演奏しているのでしょうか。鳴り物は元気が出ます。パノラマ台を超えるとところどころ泥で滑る下りが続きます。下りなのに時間が稼げません。結局約12kmを3時間近くかかりました。

A2本栖湖エイドは狭くて込み合います。泥だらけの手袋を洗い、一応水も補充しておきます。すでにスポーツドリンクがなく、持参した粉を溶かして飲みました。少し食べておきたい。空腹になると気力が萎えるのでバナナ、オレンジ、ようかんなどいただきました。希望者は明日のSTYに出てもよいとの情報を得て、でも自力で行けそうもないし今晩休むところもないし、いいや、今日全力を使い果たそう、さてあと13km大きな登りもなくゴールに向けて出発!と外に出たら土砂降り。一瞬ひるんだが、どうせ汗をかくんだからこのままでいいや、レインウエアは着ないで走り出しました。案の定寒くなく、走りやすく3km位気持ちよくロードを走りました。そして曲がってトレイルのはいり口へ。なぜかそこで転んでしまいました。遊歩道への入り口の小さな段差につまづきました。不思議と痛くはなかったけれど後ろから来た人たちに見られた、恥ずかしい。そしてこの遊歩道がくせもの。晴れていればなんでもなさそうな道ですが、降り続いた雨のせいで、ところどころ道が水没しています。そのたびにどこを進むか選択を迫られます。水たまりの端の浅いところを通る方が足へのダメージが少なそうですが、直進できないのは結構なストレス。

またロードに出ます。道で応援している人が「あと3km!」と教えてくれます。ああ、もう終わってしまうのか。でも早くゴールに着きたい。そして変更になって急遽ゴールとなった道の駅まであと2kmの看板が見えました。そこからだいたいの距離を考えながら進みました。1.8km位かと思われる地点まで来てもゴールの雰囲気が感じられません。すると、前から戻ってくる人たちがいます。3km過ぎてもゴールはなく、道が違うのではないかと。100人ちかい集団ロスト発生です。引きかえし、地図を確認し、大会事務局に問い合わせてくれている人がいました。結論は、道は間違っていない。間違っていたのは、あと3kmという情報です。ロードをそのまま行けば3kmですがレースのコースはぐるっと回り道したトレイルになっています。思わぬところで時間と距離を稼いでしまいました。やっぱり45kmで終わるのはさみしいですから、2~3km多く走りたいという無意識の表れでしょうか。でもあとほんとに5kmで終わりです。しかしまた大きな水たまりが点在し面倒なのでもう真ん中を突っ切っていきます。雨もやんだようで月が見えます。歓声が聞こえてきました。スタッフが、道路を渡ったらゴールだと教えてくれました。8時間38分でゴールしました。

ウルトラトレイルを走りきったような達成感はありませんが、とりあえずゴールできたので良しとしましょう。食べ物をもらいゴールをゆっくり味わい、スタート地点に戻るバスに乗り込みました。さて一安心と思いきや、大きな落とし穴が。寒くて震えが止まりません。汗と土砂振りでパンツまでびしょ濡れ。動くのをやめたので冷えてしまったのです。ゴールしてすぐにレインウエアを着たのですが、間に合いませんでした。持っていた保温性のあるインナーを着てじっと耐えました。バスがつき、更衣室に入るとストーブが燃えています。その前に陣取ってあたたまるまで動けませんでした。今度から、雨が降ったらレインパンツだけでもはこうと思います。そして長袖シャツの着替えを持つこと。泥靴を洗い温泉に入り朝まで3時間ほど仮眠。朝一の電車で河口湖町を後にしました。当然と言えば当然ですが160km走るつもりで来た人たちは、50km弱、山を走っても、誰一人疲れている人はいませんでした。普通の人達なら次の日は足腰立たないでしょうに。

 

 

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