UTMF2015参戦記その⑧二十曲峠~富士吉田~河口湖八木崎公園20160916

最後尾で二十曲峠を出発。走ると体が右前に倒れてしまい10mも走れない。もう背筋を使い果たして走りを支えるだけの力が出ないようだ。あきらめて歩いて進む。スィーパーさんに「今は1番後ろですけれど半分以上の人がリタイアしていますから真ん中より上位なんですよ」と言われて少しやる気が出たが、やはり走れない。とにかく進めるだけ進もう。次回のためにも経験しておこうと思った。おとといの朝起きてから40時間以上起きている。スタートしてから38時間、A4で着替えた時とA8でマッサージを受けた時以外は座っていない。良く体が持っている。やはりアドレナリンの力か。火事場の馬鹿力とは言ったものだ。人間は普段は能力の半分も使っていないのだろう。多分大災害とか遭難しても生き延びられる。

何度も上り下りを繰り返して、険しい上りにやって来た。一人だから自由に自分のペースで登れるが、混みあっていたら渋滞するだろうなとか思いつつ登る。ここを登り切ってもまだ上り下りが続く。もう幻覚見えまくり。あの上の方に人が見えるが、近付くと誰もいない。

6:48 杓子山山頂。真っ白。何も見えない、向こうに富士山が見えるはずなのに。悔しいので登った証拠写真を撮った。カメラを持って走ったが、最初の渋滞で撮った以外、途中全く写していない。オフィシャル映像のカメラがいて映されたが、どこにも使われていないかな。下りは泥道で、もう足に力が入らないので、かなりお尻で滑り降りる。もうどうでもよくなってきた。そして林道を下る。A10制限時間の8時を過ぎたので家族に電話した。「富士吉田に間に合わなかったよ。今まだ杓子下ってる。」激しい尿意で腹痛を感じるほどになり、スィーパーさんに「この山降りたらトイレありませんか」と聞いたら、携帯トイレ使ったら?と言われ、そうかこういう時に使えばいいんだ、ということで、林道わきの窪地に下りて使用した。持っててよかった必携品。普通は使わないと思うけど。

林道を下りきって一般道に出るところでスタッフが待ち構えていた。「制限時間が過ぎ、この先警備員も撤収していますので、ここでレースを中止していただきます。」「そういうことでしたら納得します」と答えたものの、本当はもうやめたいと思っていたのでラッキー。9:39:50,44時間39分50秒でリタイアとなった。ワゴン車に乗り込みA10富士吉田まで連れて行ってくれた。制限時間を2時間も過ぎて、撤収作業もかなり進んでいるのに、水、オレンジ、チョコレートまで残しておいてくれた。やっと座っていただいて落ち着いたところで次は河口湖まで送ってもらう。

八木崎公園ではまだ続々ゴールしているが、もう関係ない感じ。荷物を受け取り着替えて帰り仕度をする。外では閉会式が始まっているようだ。本当なら参加して盛り上がりを体験するべきなのだろうけれど、そんな気力がない。広々した女子更衣室で後片付けに集中する。そして閉会式も終わり、バスで会場を後にした。

リベンジするぞ!

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