KAI69K20220714

タイトルの読み方は『かい69け―』意味は『甲斐の国(山梨県)で行われる距離69KMのレース』です。令和4年4月23日第1回KAI69Kに出走しました。ほとぼりがとっくに覚めましたが少し記録しておきます。

2020年、2021年はレースがあまり開かれていませんし、飛行機に乗って遠征する状況ではありませんでした。2019年はロードのフルマラソン年間で、トレイルランの大会は、10月のハセツネカップのみエントリーしていたのですが、台風のため大会は中止。実に3年半ぶりのトレラン遠征です。

UTMFという日本最高峰のトレラン大会のハーフバージョンとして今年初めて開催されました。あの富士急ハイランドを発着するということで、前日はハイランド内のホテルに宿泊することにしました。ホテルの屋上からは富士山が目の前に大きく見えます。前日受付で、新型コロナの抗原検査を受けて陰性にならなければ出走できません。無事出走可となりました。富士急ハイランドはアトラクション以外は入場無料で、コースになっているところを下見したりお土産を買ったりして楽しみました。隣接するふじやま温泉の入浴は宿泊費込みなので、富士山を見ながらお風呂、夕食もいただきました。

さてスタートは11時。制限時間は20時間、明日の7時までにゴールしないとなりません。いいお天気、結構暑い。スタートしてしばらくはアップダウンもあまりなく、舗装路もあり比較的スピードが出ます。最初のエイドまでは19kmあります。一山超えてエイドまで田畑が続きます。お昼過ぎて暑い。約2時間半でやっとエイド、水の補給、休憩。ひどいめまいがしました。まさかこんなところでリタイア?椅子が用意されていたので、めまいがおさまるまで水分塩分糖分を取ります。20分以上休んで何とか復活。次のエイドを目指します。

また一山超えて28km地点に第2エイドがあります。体調は戻ったようで一安心。1年くらいはほとんど練習もしていなかったのですが、冬場に頑張って走ったので何とか走力も戻ってきているようです。日が暮れて涼しくなってきて、元気が出てきました。

43km地点の第3エイドまではひたすら山道。登りは歩いても下りは走って楽しく進めます。おもえば前2回、UTMFに出場した時は天気が悪く、雨、泥、富士山が見えないと、条件は良くなかったのです。今回は富士山は見えるし道も良いし、言うことなしでした。この第3エイドは、UTMFでは最後から2つめのエイド。100km以上進んできたところですから、もうほとんど考えることはできずただ足が動いていただけで制限時間ギリギリのラスト通過でした。今回は余裕がありますから少し休んでエイドの雰囲気も満喫してからの出発です。

KAI69KはUTMFの23時間後にスタートします。スタート時にすでにコース上にUTMFの選手がいます。UTMFの後半部分がそのままKAI69Kのコースです。かなり疲れている選手たちをおいこすこともしばしば。第3エイドを過ぎると急な山道が現れ、コース最高地点の杓子山山頂につきました。45km地点、あと24km。ここまでくれば完走は間違いないでしょう。長い下りの後は一山を残すのみです。楽しく下り始めたのですが、、、、

一瞬の油断で転んでしまい、打ちどころが悪く、ひざがぱっくりと割れてしまいました。ここは最高地点、次のエイドまでは8kmくらいです。そこまでは自力で下るしかありません。タイツの裂け目を開き、水をかけて洗浄し、持っていたテーピングで固定しようとしていましたら、数名の選手が寄ってきて、ばんそうこうやらクスリやらを提供してくれます。けがにも慣れたベテラン選手、UTMFの選手で、相当自分もつかれているだろうに、他人の心配をしてくれます。救急用品をいろいろ準備していて、『初めて役に立ったよ』なんて言っていました。本当にありがたかったです。とりあえず固定してばんそうこうを貼って下ります。傷が開きそうですが、一刻も早くエイドで処置してもらった方がいい。70%くらいの力で下りました。約1時間で最後のエイドにつきました。

早速救護室へ行き、傷の処置をしてもらいます。とにかく洗う、洗う、感染のリスクを減らすため十分洗います。そして固定。ばんそうこうを縦にたくさん貼って傷口をふさぎます。ここで私は究極の選択をしなければなりません。レースをやめるか続けるか。できることなら完走したいし、体力は十分残っている。でもあと一山上って降りなければなりません。当然ひざの曲げ伸ばしは何千回もしなければならない。傷口が開くのは必至でしょう。そしてそのあと病院で処置を受けても、回復にかかる時間は延長されてしまうことが予想されます。決めました。夜中の0時過ぎですが、今すぐ病院で処置してもらえるならリタイアを選びます。朝まで受診できないならじっと座っているのも嫌なのでレースを続けます。果たして事務局の対応は、すぐ提携の病院に連れて行ってくれるということで、私のレースは終了いたしました。

看護師さんと運転手さんで吉田市民病院まで連れてきてもらいました。当直の若い先生が来て、さらに10分以上洗ってくれました。そして丁寧に縫合してくれました。さらに破傷風のワクチンまで接種されました。私の不注意でけがをすると多くの人の手を煩わせてしまいます。こんなこともあろうと、保険証と受診にたりる現金は所持していたのでタクシーでひとりで行けないわけではなかったのですが、事務局側も病院には付き添うというマニュアルだったのでしょうね。過酷なレースですから傷病者の対応もきちんとできていて素晴らしいレースだと思いました。一つ心残りがあるとすれば、富士吉田のエイドで救護室に直行し処置してもらってすぐ病院に連れて行ってもらったので、名物吉田うどんが食べられなかったこと。次回こそは。

 

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