人が最初に老化に気づくのは眼から、とも言われています。
父の近視と母の遠視がうまくミックスされて正視に生まれついた私は、40歳までは見え方に困ることは全くありませんでした。患者さんで視力表の1番上が見えなくて恥ずかしいとおっしゃる方がよくおられますが、視力表の1番下が見えるのはもっと少数派で、これも恥ずかしいものです。高校大学の視力検査では、1番下がなんとなくわかりそうでも、『わかりません』と答えていました。
さて、老眼の最初の症状とはどんなものでしょうか。細かい文字が見づらくなる?それは老眼が明らかになったときの状態です。それまでよく見えていた私が41歳になって、最初に気づいたのは、「遠くが見づらい」でした。それまで2.0近くあった視力が1.0くらいに下がったのです。老眼とは、眼の調節機能の低下です。軽い乱視があった私は、若いころは十分な調節機能により遠くまで見えていたものが、老化で調節が働かなくなりぶれて見えるようになりました。五線の楽譜が六線に見えて困るようになったので、メガネを作りました。多くの人は初めから1.0位の視力なので、このごく初期の老眼の症状に気づくことは少ないのでしょうね。
老眼の始まりを自覚しても、しばらくは本を読むのにもさほど困りません。少し離せば見えますので。非常に不愉快だったのは食事の時です。こんなに不愉快なのに、食事時の不愉快を訴える患者さんがいないのが不思議でなりませんでした。料理を口に運ぶ時、食材のディテールが良く見えなくて、楽しさ半減します。本と違って、眼から離してしげしげ見つめるものでもないので困ります。みなさん気にされていないんでしょうか?仕事や作業じゃないので困らないのでしょうか。
で、先日、はじめて「料理が見えなくてつまらない」とおっしゃる方がいて、心の中で「そうでしょそうでしょ」と叫んでいました。独りよがりの思い込みではないということで、これからは、積極的にこの点も推していきましょう。今は見えないのにも慣れてきて、昔のテレビドラマで夜、鼻眼鏡にして帳簿つけているおばさん状態になってしまいました。それもまた味があるというもの。
先生、私も机の上の料理も口に運ぶ料理もぼやけてしない、悲しい思いをして、近く用のメガネを今年の6月頃新調しました。
くっきり見えるって、それだけでご飯が美味しいです!
ちなみに、私の周りでも、わかってくれる人がおらず、先生のブログを遡って拝見して、嬉しくなりました。
連投失礼しました。