「コンタクトレンズ」カテゴリーアーカイブ

新生活をコンタクトレンズで20160314

今週は中学、高校、大学と卒業式のところが多いと思います。新生活に向けてコンタクトレンズを初めて使ってみようという人も多いのではないでしょうか。準備に何かと忙しいですから4月になってからというかたもいると思いますが、初めてコンタクトレンズを使う場合は、ならし期間が必要ですので、春休みに入ってすぐがお勧めです。

コンタクトレンズを初めてつける日は、調子が良くても4時間以内、痛みや異物感が出てくるようならもっと早めにはずさなくてはなりません。2日目は6時間、3日目は8時間、4日目は10時間、と2時間ずつ時間を延ばしてみます。この時無理は禁物。つらければすぐはずします。1週間後の定期検診も春休み中ならきちんと受診できるはず。レンズのはめはずしも慣れるまで時間がかかりますから、休み中に練習しておけば、4月から、朝さっとレンズを付けて出発できるようになります。

春休み中に準備して、4月からコンタクトレンズで新生活、スポーツやおしゃれの幅が広がります。

不同視弱視20160113

左右の眼の屈折度が大きく違って、特に片目が強い遠視や乱視が幼児期からあると、もう片方の目が裸眼でよく見える場合は視力が発達しないまま成長してしまうことがあります。視力とは目から入った情報が脳で処理されて初めて出るものですが、眼から情報が入らないと情報を受け取り処理する脳の部分が使われず発達しません。

弱い遠視や乱視は水晶体の調整によりピントを合わせることができます。近視は裸眼でも近距離ならピントが合いますから情報が脳に伝わります。ところが、水晶体での調節範囲を超えた遠視や乱視は裸眼ではどこにもピントを合わせることができませんので、メガネなどで矯正しないと目からの情報が脳に伝わりません。両眼が同程度なら幼児期に親が気付いて矯正しますが、片眼だけ見えない場合は気づかれずに放置されて学校に入って視力検査で気づかれたとしても、眼科を受診しなかったり、受診しても治療がけっこう大変で続かなかったりということがあります。そのまま大人になると、矯正しても視力が1.0以上にならない 弱視 という状態になります。左右の目の見え方に差があることが原因の弱視ですから不同視弱視と言います。

先日いらっしゃった患者さんは、長らく裸眼で過ごされていましたが、距離感がつかみにくいとのことで相談にいらっしゃいました。検査をすると不同視で、矯正して視力が出るか心配でしたが、不同視はコンタクトレンズを片眼だけつけることができるのでメガネより使いやすく、さっそくテスト装用してみました。小学生のころはメガネを使っていたとのことで、幸い視力が出ました。立体視は少し慣れと訓練が必要かもしれませんが、両眼が同じように見えるという状態に慣れてくれば期待できます。

視力の発達は6歳までにほぼ終わり、12歳までは緩やかに続くと言われていますので、それまでにきちんと矯正してあげたいものです。13歳まで矯正されていないとそこから視力の発達はかなり難しいのです。3歳児検診に視力検査がある理由です。

ネットでコンタクト20150826

最近眼科を受診せずにネットでコンタクトを購入する方多いですね。確かに眼科に行くのは面倒だしレンズは必需品だからすぐほしいし、わからないでもないのですが。

コンタクトレンズを買うのに眼科に行かなければならない理由

①自覚症状がなくても目に異常が起きている場合がある。気になることがなくて定期検診にいらっしゃる患者さんの内、2割~3割の方に何かしらの異常が見つかります。ちょっとでも気になることがある方の場合はほぼ100%異常が見つかります。コンタクトレンズは何十年も使い続けるものなので、ちょっとの異常が積み重なって目に負担をかけていきますので、気になることがあればコンタクトの使用を中止して眼科を受診してください。

②使い方を間違っている場合がある。以前ブログに書きましたが、ケア用品の使い方を間違える。コンタクトレンズの左右を間違えたまま使っていることもあります。短時間でもつけたまま寝てしまうこともできません。受診すると指摘されることがあります。

③見づらくて度数を変えたいのに自己判断で変えると余計見づらいばかりか、眼に悪影響を与えることもある。お子さんはともかく、大人が近視の度数がどんどん進んでいくということはあまりありません。近視の度数を上げると遠くは見やすくなることが多いですが、疲れやすくなります。すると時間がたつと以前より見づらくなることもあります。それでさらに度数を上げると頭痛肩こりの原因になることも。また、乱視用や遠近両用は度数だけ変えればよいわけではないので、必ず眼科で試験装用してから購入しましょう。先日、遠近両用が見づらくなり、自己判断で度数を変えてネットで購入したとおっしゃる方がいました。しかし全く見えなかったそうで、レンズ代を無駄にしてしまったようです。遠近両用は、プロでも「このレンズはあなたに絶対合います」とは言えません。「このレンズがあなたに合いそうですから試してみてください」と言います。眼科では使い捨てレンズはお試し用レンズで納得いくまで試せますので、納得いったものにお金を払ってくださいね。

レンズケアの仕方、間違っていませんか?20150530

安全性も高くなり、健康な眼にはほとんどトラブルを起こすこともないコンタクトレズですが、ケアの仕方をずっと間違えてやっている方が時々いらっしゃいます。昨日までなんともなくてもトラブルの原因になることがありますし、体調が悪かったり、眼に小さな異常があるときは、重症の眼障害を起こすこともあります。2週間ごとに交換するコンタクトレンズだと、調子悪くなった頃新しいレンズに取り換えてまた調子がよくなるので、気づかないことも。

1番多い間違いは、こすり洗いが必要なのに、つけ置きだけでよいと思っている場合です。ソフトコンタクトのケア用品は大きく分けて2種類、こすり洗いが必要なタイプとつけておくだけでよいタイプです。つけ置きだけのものは、泡が出るか、色が変わるか、何かしら見た目の変化を伴い、洗浄ケースも持ち運び用のメガネ型の小さいものではなく、網の着いたホルダーにセットし、バケツ型のケースに入れるタイプがほとんどです。一方メガネ型のケースにつけ置くタイプは、ケースに入れる前に必ずこすり洗いを必要とします。説明書きの、こすった後につけ置き、という前半の『こすった後に』がすっぽり抜けて、つけ置きすればよいと思い込む間違いですね。このタイプは汚れたままつけ置いても、消毒効果=ばい菌を殺す効果 が発揮されず、つけ置き中に細菌が増えてしまう可能性さえあります。そんなレンズを次の日つけたら、角膜に傷があれば細菌感染を起こしてしまうかもしれません。

次に意外と多いのが、こすり洗いするタイミングの間違い。コンタクトレンズを外した後そのままケースに入れてつけ置き、次の日つける前にこすり洗いするという方。しかし上にも書いたように、汚れたままつけ置いても消毒されません。眼に入れる前にきれいさっぱり洗いたい気持ちもわからなくはないですが、こすってからつけ置く意味は、消毒のためです。それにばい菌以外のタンパク汚れなども、一晩置くより、すぐのほうが落ちやすいです。必ずこすってからつけ置きしてくださいね。

そのほか、レンズの内面(角膜側)だけこするという間違いもあります。外面(まぶた側)をこすらないと特に化粧品などの汚れが残り、まぶたに触れて結膜炎の原因になることもあります。また、こする回数は20~30回くらいが適当です。10回以下だと汚れが落ちていないかもしれません。

特に初めてケア用品をつかう方には正しく覚えて帰っていただくよう注意していますが、時々確認してみなくてはね。