J.S.バッハその②20150614

バッハについての本を2冊読みました。岩波新書の『J.S.バッハ』と芸術現代社の『J.S.バッハの音楽宇宙』です。バッハはドイツの田舎の音楽を職業とする一族の生まれで、一生をドイツの地方のいわば音楽職人として過ごしたそうです。教会の音楽家だったときは、ミサのための音楽を毎週作曲し、宮廷音楽家だったときは、イベントや楽しみのために作曲し、また、弟子や音楽を勉強している人のために楽譜をたくさん作り、といった具合です。

たくさんの曲を作ったのですが、機械的とか単調というのでもなく、人間性の表れる聞く人の心を動かす作品が作られました。その結果、時代を超え、ジャンルを超えてバッハの曲が演奏され聞かれています。宗教曲を作ったのですが、自分の宗派と違う宗派に勤務していたこともあり、純粋な信仰心から生まれた曲というより、職務に忠実にまじめに、人間として普遍性のある音楽が作られたようです。

また、それまでに積み上げられてきた音楽の技術を集大成しようと考えていたようで、それこそが、音楽の父と呼ばれる所以でしょうか。音楽一族に生まれたものの発想にも思えます。バッハはバロック後期の作曲家とされています。現代から見ると、バロックは単調、つまらないなどという印象を持ちますが、当時はつまらないルネサンス時代から変化を求めた時代だったそうで、いろいろな人が新しいことをやった上でのバッハということです。

その後多くの音楽家に影響を与え続けています。芸術とは、場所、時代に関係なく人間に影響を与えるもののことを言うのだと思います。

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