アルコールの代謝について20220623

コロナ禍以来初めて会食に参加しました。少人数で広めの個室でしたのでまあ安全といえるでしょう。

久々にたくさんお酒を飲みましたので、今回はアルコールの分解について講義風です。

アルコール(エタノール)はまずアルコール分解酵素によりアセトアルデヒドに変えられます。次にアセトアルデヒドはアルデヒド分解酵素によって酢酸に変わります。2種類の酵素がないとアルコールを無害な物質にできないのです。

ここでアルコールの働きについてまとめておきましょう。アルコールは中枢神経に働いて麻痺させます。感覚が鈍くなり精神にも作用します。血中濃度が0.4%を超えると昏睡から死に至る危険があります。

さてアセトアルデヒドの働きは何でしょう。はっきり言うとアセトアルデヒドは毒です。お酒を飲んで顔が赤くなったり吐き気がしたりするのはアセトアルデヒドの働きです。又、発がん性があり食道がんの原因になるといわれています。

アルコールを分解する2種類の酵素は個人によって多い少ないがあって、お酒の強い人、弱い人がいるのはそのためです。そしてよく考えると2つの酵素それぞれに強い弱いの個人差がありますのでお酒の強さには4つのパターンがあることになります。

1つ目はアルコール分解酵素もアルデヒド分解酵素も強い人。これは言わずと知れた酒豪ですね。アルコールが胃と小腸から吸収され肝臓であっという間にアルデヒドになり酢酸になりますのでいくら飲んでも酔いもしなければ気分悪くもならない。お酒を飲む必要があるのでしょうかね。最初からお酢を飲んでいればいいんじゃないかな。

2つ目はアルコール分解酵素は強いがアルデヒド分解酵素が弱い人。この人たちはアルコールの血中濃度が上がって酔っぱらう前にアルデヒドが体内に増えて赤くなったり気分が悪くなったり頭が痛くなったりしますから、基本飲めません。しかも毒であるアルデヒドがたまりやすいのですから、絶対に飲まないほうがいいと思います。

3つ目はアルコール分解酵素もアルデヒド分解酵素も弱い人。一見飲めなさそうですが、ゆっくりちびちびいけます。アルコールがゆっくり分解されるのでアルコール血中濃度はすぐ上昇し気持ちよくなります。アルデヒドはゆっくりたまりますからゆっくり分解してもまあ間に合う、ゆっくり飲めばそれほどアルデヒドがたまらないので気分悪くもならないというわけです。己を知って適度に楽しむのがいいと思います。

最後はアルコール分解酵素が弱くアルデヒド分解酵素が強い人。すぐにアルコール血中濃度が上がって気持ちよくなります。ゆっくりできるアルデヒドはすぐ分解されてたまりませんので顔が赤くなったり気分が悪くなったりしません。するとどうなるでしょうか。ストッパーが働かないのでどんどん飲んでしまう危険があります。周りの人からは、よく飲むし、顔も赤くないので、お酒に強い人だと思われてしまいます。気づいたら昏睡状態になったり、アル中になりやすいのがこのグループです。このタイプだと自覚のある方は、一緒に飲む人に自分はお酒に弱いことを伝えておくこと、一人では飲まないことを心掛けるとよいと思います。

以上アルコールの分解タイプの解説でした。お酒を楽しむための参考にしていただければ幸いです。

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