若いころはすごく目がいいと思っていた方へ20181119

 40歳位まで視力が良くてメガネをかけるなど想像もつかない人たちがいます。視力表の一番下まで見えてしまうような人たちです、そういう方たちは子供のころから眼科にかかる機会があまりないでしょうから、実際どの程度の割合かわかりませんが感覚としてはおそらく日本の人口の1割くらいはいるのではないでしょうか。そのような方たちの多くは軽い遠視だと思われます。近視がもともと遠くが見づらい眼であるのに対して、遠視はもともと近くが見づらい眼なのです。学校の視力検査は遠くの見え方しか測りませんから近視の子しか見つかりません。まあ、近くの見え方を測ったところで、子供のころは水晶体が柔軟で、ピント合わせできる幅が広いので軽い遠視なら近くもよく見えてしまいますから、みつけられることはないでしょう。(ちなみに強い遠視は3歳児検診までに見つかることになっています。このことは別の機会に)
 そうして目がいいと思ってずっと生活していた遠視の人は、40歳位になって視力の低下を自覚します。近くはもちろん、遠くの見え方も今までよりは落ちてくるのです。
 そのような方は、老眼だと思ってメガネ屋さんに老眼鏡を作りに行ったりします。近くを見るときだけメガネをかければいいのですが、遠近両用メガネをつくってしまってもなかなか満足できない場合があります。何しろ40年以上メガネなしで生きてきて今更メガネの生活にはなかなかなじめないものです。職業上などの理由があれば別ですが、遠くの見え方はあまり困らないので裸眼の方が楽だと思います。
 コンタクトレンズはどうでしょうか。遠近両用という選択はもちろんあります。けれど、まだピント合わせの力がある程度残っている40歳前後の遠視の方は、遠視用コンタクトレンズを使うことで遠くも近くも見やすくなると思います。老眼と遠視は似ているようで区別がつきにくいかもしれませんが、違うものです。遠近両用ではなく遠視用コンタクトを使う利点は、遠くの見え方に満足しやすい、金額が安いという2点です。メガネのかけ外しが煩わしい時はコンタクト、近くを見るときだけメガネをかけられるときは裸眼で、と使い分けをするのがお勧めです。
 眼科では簡単な検査で遠視の程度を測れますので、今までメガネを使ったことのない40代の方は、相談してみてはいかかでしょうか。

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