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ドライアイ?20150520

眼が乾くと訴える患者さんがいます。ドライアイらしいと言って受診します。ドライアイは、涙の異常です。涙の量が少なかったり、成分のバランスが悪く蒸発しやすくなります。治療は主に、涙の量や質を補う目薬を使います。

眼が乾くと訴える方には、ドライアイがないか診察します。明らかに涙の量が少ない方もいますが、中にはそれほどでもない方も。しかしよく見ると慢性の結膜炎があったり、モニターを見続ける仕事で眼を酷使していたり。結膜炎のかゆみや異物感を乾きと感じることもありますし、眼精疲労の重苦しさを乾きと感じる方もいます。

この季節は少なくなりますが、空調の効いたオフィスで働く方は、室内の湿度が低く、温風冷風の吹き出し口近くにいると眼表面から水分がどんどん蒸発してしまいます。コンタクトレンズをしている方は特につらい季節です。ドライアイは環境にも左右されるのです。

一方で乾き以外の症状を訴える方の中に、ひどいドライアイ状態の方もいます。眼が痛い、疲れ目、かすむ、など。面白いのは(つらい方には失礼ですが)涙が出る、と訴える方の中に高率でドライアイが見つかります。涙が出るのにドライアイ?そうなんです。涙の分泌には基礎分泌と刺激性分泌がありますが、刺激性分泌まで障害されることは少ないので、目を保護している基礎分泌が減ると外からの刺激に弱くなって少しの刺激で刺激性分泌による涙が出てしまうのです。外に出ると涙が出る、とか、風に当たると涙が出るとか(これは正常だともいえますが)。

ここまで読んでくださった方のために豆知識を。パソコンのモニターを見ている時は瞬きが減っているというデータがあります。瞬きの度に涙が眼表面を潤しますので、意識して瞬きしてみてください。そして目線は上から見下ろす角度がまぶたの開きが少なくなるので涙の蒸発を減らせます。見上げたり横目使いはまぶたの開きが大きくなりがちです。椅子やモニターやデスクの位置を工夫してみてください。

皆様が眼の乾きに悩まされないことをお祈りいたします。